2007年3月16日、ファッションブランド「ELE TRA」(JAPANSCOPE inc.)のデビューコレクションが公開されました。舞台はなんと東京コレクション!デザイナーの加藤律子さん自身も、東京コレクションのショーへは初の出展だったといいます。
加藤律子さんは、バンタンデザイン研究所を1992年に卒業後、数々の企業でデザイナー経験を積み、2003年に独立。今回の「ELE TRA」コレクションデビューに至りました。大盛況に幕を閉じた東京コレクションショー、その数日後に行った彼女へのインタビューを、ショーの画像と共に公開いたします。


東コレショーの数日後、代官山のカフェで「ELE TRA」デザイナーの加藤律子さんと待ち合わせをしました。ショーのバックステージでとお会いしたときには一言ご挨拶をしただけ。コレクションを見た後には、こんなにかわいくて素敵なデザインをする加藤さんはどんな方かと、一層興味が増してしまい、インタビューするのをとても楽しみにしていました。


待ち合わせに、大きなサングラスとカジュアルな服装で現れた加藤さんは、第一印象とは少しイメージが違って、気さくでマイペース、むしろ天然キャラ!?(ショーのときは気が張っていたのでしょうが、もっと無口でかたい方かと・・・。大きな誤解でした)
早速、ファッション業界も大注目の新ブランド「ELE TRA」についてお話を伺いました。


「ELE TRA」というブランド名の意味や由来はありますか?
とにかく短い名前にしたくって。長いとみなさん覚えてくれないでしょう?笑
『elle:彼女』『trick:たくらみ』『radiance:輝き』の頭文字を組み合わせて「ELE TRA」。造語です。その3つの意味をそのままこめて、ただ優しい・可愛いだけじゃイヤ!っていう欲張りな大人の女性のためのブランドです。
「ELE TRA」以前は、ミセスのエレガントなラインをずっとてがけていましたが、「ELE TRA」では、”エレガント”にピリッと一癖きかせた、自分が長年やりたかったものをデザインしています。とはいっても自分では「もっと大人になったら着たい服」です。いや、私はいい大人ですけど、心はまだ追いついていないというか・・・自分で自分を大人になったね、って認められるようになったら着ようかな。それまではブランドものとかはいらないです。


今回のデビューコレクション(2007-08AW)について。シーズンテーマは?何にインスピレーションを得ましたか?
シーズンテーマは『Sweet Decadence』。”王妃の宮殿をイメージさせるカッティングとタックを軸にした伝統的なクチュールテクニックの「ELE TRA」流ブリティッシュスタイルアレンジ”。大人になってもかわいくいたい、っていう女性のためのコレクションです。女性はやっぱりかわいいものが好きでしょう?
色には特にこだわりました。パリでマカロン(フランスのお菓子)のとてもかわいいショップに入ったんです。マカロン自体はもちろん、カラフルなパッケージや内装からもヒントを得て、”おいしそうなカラーストーリー”をコレクションで展開できれば、と。パープルの染色は、納得する色がでるまで何度もやり直しました。(今コレクションでは、紫のカラー展開が特に美しかったんです)


コレクションショーの手応えはいかがでしたか?
ショーはとてもたくさんの方に見に来ていただいて、これ以上ないデビューコレクションだったと嬉しく思っています。ショーの後も「かわいくてよかったよ!」という声が寄せられて。”東京コレクションに参加すること”という夢も叶いましたし。本当にありがとうございます!
でも私としては反省点も多々あるんです。なんていうか、キレイにまとめすぎちゃったかな、って。いわゆるスタンダードな、リアルクローズすぎたショーにしてしまった気がしています。もっというと、(リハーサルをしてみた時点で)こうじゃない、ああじゃないっていろいろ思い通りじゃなかったの・・・。次回はもっと軽さや遊び心を出して、少しシャレを効かせたショーで魅せるつもりです!


”いいデザイン”をするために心がけていることはありますか?
”没にする勇気”でしょうか。一生懸命考えたデザインには固執してしまうものだし、時間をかけて作った商品には愛着がわくもの。でも、そのままじゃ行き詰まってしまう!っていうときには、客観性をもって新しいインスピレーションをどんどん取り入れ、トライしていかないと成長はない。服は生き物です。”もっといいもの”を作るには、没にすることを恐がってはいけないと思います。あとは、日々勉強ね!


「ELE TRA」の今後について。
とにかくまだデビューしたばかりなので、より多くの人に知ってもらうこと、ブランドとしてのアイデンティティーの確立が当面の目標です。一着一着大切に作った服を、少しでも多く世に出したい、いずれは海外でも取り扱ってもらえればいいなと思っています。
・・・とはいっても現状は、次シーズンのことで頭がいっぱい 笑。今シーズン+αの要素を慎重に検討中です。


デザイナーのたまごたちにメッセージをお願いします。
一番大切なのは”続けること”。私自身も、デザイナーをやっていて、たまに、いや定期的にかも(!?)、「辛い!もうやめたい!」って思うことがありますが、その壁を乗り越えないと次の壁も見えません。それには理想だけ追っていてはいけない。服を作ることへの本来の喜びを現実的にとらえて忘れないようにしてほしいです。


辛くてやめたいときには、具体的にどうやって持ち直すんですか?と聞くと、「呑んで忘れる!じゃなかったらポテチを食べながら小説の世界に現実逃避します」と、何とも現実的な返答をしてくださった加藤さん。休日は公園に行ったり、だんな様と食事をしたり、リラックスして過ごすことが多いとか。
これからも、躍進中の「ELE TRA」から目が放せません。
※今回ご紹介したコレクション画像は、バンタンデザイン研究所のもう一つのブログ[Press'MEETS]と合わせて全ルックを網羅しています。ショーのバックステージの潜入リポートも。気になる方はコチラ!
【加藤律子 designer PROFILE】
1992 バンタンデザイン研究所卒業
1994 「MARIE DUCHAMPS」デザイナー(サンエーインターナショナル)
1997 「ケイト・スペード」チーフデザイナー(サンエーインターナショナル)
1998 「HARRODS」デザイナー(ナイツブリッジ)
2000 「OLD ENGLAND」チーフデザイナー(ナイツブリッジ)
2001 「TITE」チーフデザイナー(ジオン商事)
2002 「TO BE CHIC」デザイナー(三陽商会)
2002 「ミティック」ソワレブランド チーフデザイナー(カインドウェア)
2002 「SHUZO HAYASHI」デザイナー(三陽商会)
2004 「プルミエール」チーフデザイナー(三陽商会)
2005 「クレージュ」デザイナー(イトキン)
2007 「ELE TRA」東京コレクションデビュー(ジャパンスコープ)
[関連・参考サイト]
OB・OG紹介 http://vantan.com/obog_h/index.html

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